第八使徒
ジャック・セロス・キュヴェ・エクスキーズ NV

出会いの泡、心躍る瞬間
一瞬の泡が織り成す、甘く切ない出会いの余韻。
- 国
- フランス
- 地域
- シャンパーニュ
- 葡萄
- シャルドネ
- 年代
- NV
- 生産者
- ジャック・セロス
- 登場シーン
- 第27巻 #260〜
総合 67 / 100
神咲豊多香の手紙
このワインは「出会い」である。出会いは常にときめきと躍動をともなう。人は人と出会うことでしか変わりえ図、新たな道を見出すこともできない。ただその出会いが異性であった場合、人は時に叶わぬ想いを胸に秘め、ただ遠くから見つめることだけで満ち足りたひとときを過ごすだろう。一瞬のときめき、強さと優しさと激しさと静けさと、きりりとした自尊心とたおやかな女性らしさを兼ね備えた横顔、私にはわかっている。あなたは優しさを渇望している。ただあなたの求める優しさは今の私には到底、手が届かない。ああ美しき人よ。見つめるものを陶酔させる笑顔は甘く、そして切ない。控えめでありながら凛と背を伸ばし、まっすぐに目を見つめるあなたは、その内面に獣のようなエロスと聖女のような高潔さを兼ね備えている。あなたは常に歩んでいる。あなたは留まらず何かを目指している。その何かが私にわからないのは、私がまだ未熟だからであり、決してあなたのせいではない。なぜならあなたは太陽と大地と、そして風のただなかに生きているから。ゆらゆらと黄金の髪を風にたなびかせ、あなたは自信に溢れ、私を振り返る。「ついておいで来られるものなら」。そのワインは一人の女性であり、一本の樹である。広々とした草原に佇むその一本の樹は、風を受けて常に揺れ動いている。ざわざわざわざわと生い茂る葉は風に揺蕩いながら、降り注ぐ太陽に煌めいている。その樹は私の総てを沈黙を持って受け入れてくれる。ああ青春のひととき、私を虜にしたワインよ。あなたは手を差し伸べればそこにいた。しかし決して届くことはなかったポートレートの中の「マドンナ」である。
テイスティングノート
ジャック・セロスのシャンパーニュ、キュヴェ・エクスキーズは、その名の通り特別な一本なんだよね。彼らはシャルドネの魅力を最大限に引き出すことに情熱を注いでいて、このキュヴェではそれが見事に表現されているんだ。シャンパーニュ地方でシャルドネのみを使ったこの泡は、伝統を尊重しながらも革新の意志を感じさせるよ。
このワインは第27巻に登場してるんだけど、使徒が選ぶシャンパーニュだけあって、その場面自体が特別なんだよね。あの巻で描かれた緊張感と期待感が、このワインの持つ複雑さやエレガンスと重なって印象的だったんだ。
グラスに注ぐと、泡の細かさにまず目を奪われる。まるで液体の宝石みたいに、きらきらと輝いているよ。香りは、柑橘系のフレッシュなアロマが際立っていて、ほんのりとトーストしたパンの香ばしさも感じる。口に含むと、シャープで生き生きとした酸が口いっぱいに広がって、その後に広がる果実味が豊かで、思わず微笑んでしまうよ。最後に残るほろ苦さが心地よく、長い余韻を楽しませてくれる。
このシャンパーニュは、細やかな泡と複雑な味わいが絶妙に調和しているから、特別な日の乾杯にぴったりだと思うよ。少し冷やして、できれば中庸なグラスで楽しむといいんじゃないかな。