第六使徒
バローロ・カンヌビ・ボスキス 2001

孤独を抱く赤の芸術
深い藍の静寂が、孤独を包み込む。
- 国
- イタリア
- 地域
- ピエモンテ州
- 葡萄
- ネッビオーロ100%
- 年代
- 2001年
- 生産者
- ルチアーノ・サンドローネ
- 登場シーン
- 第20巻 #196〜
総合 75 / 100
神咲豊多香の手紙
孤独、この世に生を受けたときから私は真の孤独というものを知らずに生きてきた。私の近くには常に温もりがあった。本当に苦しいときは癒しを与えられ、思い上がっているときは厳しさの中に放り込まれた。そうやって私は生きてきた。それが当然と思って.....私は見捨てられた吟遊詩人のように暗闇を歩いている。初めて味わう孤独に怯えながら...ふと立ち止まるといつの間にか漆黒の空は深い藍色を帯び始めていた。ここは見渡す限り動くもののない静かなる領域、その世界には静謐な泉は存在せず、それゆえに水面を渡る涼やかな風を感じることはない。渇きを癒す泉もなければ焦燥を鎮めてくれる風もないのだ。それにも拘らず救いがあり癒しがあり何よりもそこに身を浸すような穏やかさが溢れている。ゆっくりと明けていく薄闇の向こう側に柔らかで安堵に満ち溢れた影が佇んでいる。謎めいた「影」はやがて微かな光の衣を纏い始めた。残月の如く浮かび上がるその姿は厳かでありながら慈愛に満ち溢れている。その佇まいは人でありながら宇宙である。その眼差しは伏していながら総てを見つめている。その指先は永遠なる思惟を物語っている。立ち上がるでもなく座り続けるでもなく語るでもなく笑うでもなく、そしてただ沈黙するでもない。幸せでも不幸でもなく夜でもなく朝でもない。太陽でもなく月でもない。しかしあなたは私を受け入れてくれている。ありのままの私を静かに抱き寄せてくれようとしている。思わず近づく、愛する子のように、愛される母のように、孤独を携えた私の肩を抱き寄せてくれる気がして、抗うことのできぬ力に引き寄せられながら私は歩み寄る。頬を寄せる安らぎを求めて。そして訊ねる。私は何をすればいいのですか?この先の幾歳を生き抜くことに一体どんな意味があるというのですか?弥勒菩薩半跏思惟像。このワインは悩める者の問いかけに黙示をもって答えてくれる。
テイスティングノート
ルチアーノ・サンドローネが手がけるバローロ・カンヌビ・ボスキスは、ネッビオーロ100%のワインで、ピエモンテ州の魅力を存分に引き出している一本なんだ。特に2001年のヴィンテージは、その熟成具合がたまらない。このワインを開けると、まさに使徒級の特別な体験ができるよ。
このワインは『神の雫』第20巻に登場するんだ。そこで描かれるシーンは、まさにこのワインの持つ深い魅力を表現するのにぴったりなんだよ。漫画の中で、このワインが登場することで、物語の中の緊張感やキャラクターの心情が一段と引き立つんだ。
グラスに注いでみると、色はレンガ色で、縁はオレンジがかっている。その見た目からしても、25年の熟成を感じさせるんだ。香りをかいでみてよ、紅茶やドライハーブ、そしてほんのりとしたタバコの香りが広がる。これだけで、もうその風味の複雑さに引きこまれるよ。口に含むと、緻密で力強いタンニンが舌を包み込む。そのタンニンは、時を経てヴィロードのように滑らかになっている。酸味も生き生きとしていて、バランスが絶妙なんだ。
飲み込んだ後には、長く続く余韻が口の中に残っている。この余韻が、ピエモンテの気候と土壌を思わせるんだよ。デカンタージュしてから飲むと、さらにその深みを感じられるはず。大ぶりのグラスで、ゆっくりと楽しんでみて。